とももも桃も桃のうち |
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ゲーム理論の中に「合理的な豚」という話がある。
「支配戦略」をわかりやすく定式化したもので、 簡単に言うと、能力が高いものと低いものが対峙した時、 必ずしも能力が高いものが勝つわけではない、という話である。 弱者が勝ち残るには、強者をうまく使わなければいけない。 それが弱者が生き抜くコツである。 ※それなりに解説したのがこちらにあります * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * この「合理的な豚」が良く当てはまるケースがいくつかある。 その一つが日本の携帯会社の関係である。 日本の携帯会社は端的に言えば3社の寡占状態にある。 およそ5割近いシェアを持つD社。 そして、3割を超すシェアを獲得する程に成長したK社。 さらに、先日社名が変わり安売り戦略を取るS社である。 こうして見ると、D社の優位はさほどない様に思われるが、 技術的な側面を考えると実はD社は圧倒的である。 なぜなら、前にも話した事があるが、 K社もS社も自前の通信システムを持っていない。 K社はアメリカのある会社の通信システムを使っているし、 S社はD社のシステムを援用している。 通信技術において世界と戦えるのは唯一D社だけなのである。 「D社ってやる事遅いよね」 そう思う人もおおいだろう。 音楽携帯もGPSもワンセグも他社に遅れた感がある。 実はこの指摘は完全に正しい。 D社は全て自社開発で行っている為、 常にその時点において二個先の携帯を作っているのだ。 国際的に新しいシステムを作るには時間もかかる。 だから、目先の事ではなく未来に見据えた開発計画を持っていて、 その場その場で柔軟に変える事はできないのである。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 話を「合理的な豚」に戻そう。 この携帯会社の関係を当てはめると大豚がD社で小豚が残り2社となる。 先日、K社の社長が「お財布携帯」に対して次の事を話していた。 「インフラはD社に任せているんです。我々はそれに乗るだけです」 もしK社がD社と同じ様にインフラ整備に時間がかかるもの、 例えばお財布携帯だとか、第4世代携帯とかに本気で戦ったら、 恐らく圧倒的敗北を味わう事になるだろう。 かつて、ID○通信の時それを味わった。 だから、K社は常に二番手の戦略をとる。 インフラという金のかかる部分はD社にお任せして、 それに乗る形でユーザーが望む部分を改良すればいいのだから。 言い換えれば、K社は業界一位を目指していない。 目指せば、やるべき事が増えてしまって、 現在と同じ経営戦略が立てられなくなるからだ。 まさに、小豚の戦略だ。 大豚に走らせて、利益を根こそぎ奪う。 D社も自分が走らないと利益を上げられないので、 金がかかっても、利益率が上がらなくてもインフラをするしかないのだ。 (だからこそ僕はD社を応援するんですけどね) (インフラ整備が出来なくなったら日本が駄目になりますから) ちなみにS社は残された手段として割り引き戦略を行うしかない。 D社がインフラ面に力を入れ、デザイン・機能面をK社が頑張るなら、 そこに立ち向かうにはもはや選択の余地がないのである。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 「世の中競争である」 そういう人はおおいだろう。 しかし、それは経済や社会生活をよくわかっていない。 競争ではなく、結託する事で生まれる利益もあるのだ。 僕は携帯会社の経営戦略を見るたびに そうした背後にある様々な社会システムを考えてしまう。
by tomomo_tomopan
| 2007-03-02 23:40
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